今日で東日本大震災からちょうど4年となり、ニュースや新聞の紙面から4年前の出来事を意識している人も多いのではないでしょうか。
震災の教訓とし、この4年間で地域や企業、個人まであらゆる防災対策を行っていると思います。
イーハンズでも沢山の方のパソコンをお預かりしておりますので、保管棚の耐震強度も上げ、災害用備蓄も進めてきました。
駅などの公共施設にも非難経路のポスターが増えたり震災の教訓が生かされているところは多いと思います。
ところで、パソコンに関する教訓は何があるでしょうか?
実はパソコン修理の業界内にもひとつの教訓が生まれました。
それは、データ復旧に関わる事です。
震災直後、津波により水没してしまったハードディスクのデータを取り出したい、データを復旧したいという方が沢山いました。
しかし、パソコンは機械ですので水に弱く、水没時の状況やその後の状況によってはデータ救出や復旧は困難を極めます。
パソコン修理業界に生まれた教訓はそのような水没したハードディスクから極力データを取り出せるようにするための知恵です。
まず、ハードディスクが故障しデータが取り出せなくなる原因ですが、水と鉄等の金属が触れることにより錆びが発生し、錆びた状態の回路に電気を流す事でショートします。
回路がショートしてしまうとデータの救出や復旧が厳しくなります。
そのため、ショートしていない状態にしておくことが望ましいです。
震災後の水没したパソコンはほとんどが津波被害のため、海水による水没が故障の原因でした。
先ほど水と金属が触れたために錆びると記載しましたが、錆びるためにはもうひとつ条件があり、空気(酸素)が必要となります。
水中には酸素も含まれるのでずっと水に浸しっぱなしにしておけばやがて錆びていきますが、海水等の塩分がある水から外へ出すよりも水に浸っていた状態の方が錆びにくい場合もあるのです。
もし、海水などの塩分がある水に浸るような事が発生したらすみやかに真水につけて錆び等による腐食の進行スピードを遅くします。
そして、とにかく早くイーハンズへご相談ください。
私たちが行う事は錆びの発生しないレベルまで塩分を落とし、電気を流しても大丈夫な状態まで洗浄、乾燥してからデータの救出を試みます。
正常なハードディスクと同じレベルまで洗浄に成功すればデータを読み出す機械とパソコンを接続するだけでデータの救出が可能です。
もし、この作業で救出が出来ない場合はハードディスクのデータ復旧作業が必要となります。
データ復旧作業が必要なレベルの故障になると費用も高額となり、データ救出の成功率も下がってしまいます。
大事なことは「故障が生じたら早急に専門店へ相談」することです。
自分で何かできないだろうかといじっているうちに機械はどんどん故障が進んでいきます。
大切なデータを守る、パソコンが故障してもデータだけでも救出、復旧させる。
その為には時間を置かずに早めに動く。
これは水没だけではなく他の不具合でも同じことがいえますので、不具合が発生した際にはなるべく早めにイーハンズへご連絡ください。
尚、この記事はハードディスクだけが水没したと仮定しています。
パソコンには本体裏側のバッテリーとは別に時刻等を記憶するための内部バッテリーが搭載されている為、パソコン本体をそのまま水に浸してしまうと、内部バッテリーから電気が流れて更に状態を悪化させる恐れがあります。
パソコン本体が水没してしまった時は、本体ごと水には浸さず、まずバッテリーやACアダプター等の接続機器を取り外し、水没によるデータ復旧と速やかにご相談ください。