DELL XPS L502Xの分解と修理
先日、DELL XPS L502Xの分解とマザーボード修理を行いましたので紹介させて頂きます。
DELL XPS L502Xの不具合症状
ACアダプターをつなげても、通電ランプも光らず、電源スイッチを押しても電源が入らず、通電も起動もしない状態です。
このような状態の場合、マザーボード自体の故障の場合とDCジャック故障などが考えられます。
また、ACアダプタの先端のランプが、PCに接続した途端消灯してしまいます。このような症状はマザーボード故障によくみられる症状です。
不具合箇所の切り分け
実際に分解する前に、おおよその不具合箇所の切り分け作業を行います。
分解しなくても、ある程度の知識と工具・装置があれば切り分けができます。
ACアダプターの検査
まず、L502XのACアダプターに問題が無いか、テスターで電気を計測しています。定格の電気が正しく来ているか計測します。
問題なく電気は来ておりましたが、コネクタ先端などに不具合がある可能性もあるため、念の為に検査用の別のACアダプターでも起動を試してみます。
ACアダプターを交換してみても、症状は相変わらず電源が入りません。
よって、ACアダプターの問題ではありません。
DCジャックの検査
次にL502XのDCジャックに破損や不具合がないか確認します。
まず、目視でジャック内部に破損や変形がないか、ライトを当てておくまで確認します。特に異常はありませんでした。
電源装置で電気の流れを測定
次にDCジャック→マザーボードにどのような電気量が流れているかを、専用の装置で測定します。
測定した結果、通常値ではない電気が流れている事が判明しました。異常値が流れているとはいえ、本体まで電気は流れているということは、DCジャックは問題ありません。
マザーボード故障と判明
異常値が流れている事とDCジャック、ACアダプターに異常がない事を考えると、マザーボードの故障の疑いが濃厚になりました。
L502Xの分解作業
早速、パソコン修理するためにL502Xを分解していきます。
L502Xはまず、裏側からネジを外していくタイプになります。
裏面のネジやメモリパネルを外して行きます。もちろんバッテリーは先に抜いておきます。
裏面のネジを外したら、キーボード周りのカバー(キーボードベゼル・トップケース)を外します。
だんだん、マザーボードが見えて来ました。マザーボードまではあと少しです。
カバーを外すと、マザーボード全体が見えるようになってきました。
マザーボードを固定しているネジを取り外し、マザーボード単体だけにします。
マザーボード取り出し完了
マザーボードの取り出しが完了しました。
メーカや他店さんですとこのまま、新しいマザーボードへ交換して完了ですが、当店では、この不具合マザーボード自体を補修、修理するので、更にマザーボードを調査します。
マザーボードの修理作業
マザーボード上の回路やチップ部品を一つ一つ不具合箇所を探っていきます。
無通電状態や通電状態でパソコンの不具合箇所を探る必要があります。根気のいる複雑な作業ですが、気合を入れて探します。
肉眼ではほとんど見えない為、顕微鏡や拡大鏡などを使って、数ミリ程度のゴマ粒大のチップ部品を一つ一つ確認していきます。
複数箇所故障のマザーボード
数百以上の部品から、コンデンサが変形しているのが確認できました。
肉眼でまず気付かず、確認出来ないほと小さい部品になります。視力がいい人なら肉眼でも見えるのでしょうか?おそらく無理なのではないでしょうか??
他にも同じようなコンデンサが破裂していましたので取り外し、新しい物へ交換します。小さすぎるため、少しの風でも飛んでいってしまいます。
サイズ比較の為にピンセットの頭の上に乗せてみましたが、小さすぎます。これを綺麗に交換するには熟練の技術が必要になります。
更に他にもチップ部品が故障しているのが判明しました。これは肉眼・顕微鏡だけでは故障しているか判断つきません。電気の計測なども経て判明します。
これらの故障箇所を全て交換し、マザーボードの仮テストを行います。電気が正しい量で流れるようになれば修理完了です!
分解した手順と逆の作業で組み立てていきます。
マザーボード修理完了!
パソコンを組み立てて、動作確認を行います。ACを挿した所、しっかりと通電ランプも光っており、充電もされるようになりました。
電源スイッチを入れてみます・・・・
ぽちっ!・・・
・・・・・
電源が入りました!!!
これにてマザーボード修理完了です。
後は規定の負荷テストなどを経て修理完了です。
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